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スズキタカユキの自然な出会いの中からうまれるものづくり話

Update:2015.12.24
Company:Craftsman Park


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第三回目となる今回は、自身の名前でブランドを展開されているスズキタカユキさん。

国内だけにはとどまらず、海外にも進出し、更には即興で舞台にも立ち、
ご自身のクリエイションを惜しみなく表現されています。

そんなスズキさんに普段なかなか聞けない【 結 婚 】をテーマにお話を伺いました。

青山にあるアトリエで、新しいコレクションに囲まれながら、
インタビューを行いました。

どうぞ最後まで楽しんでください。

デザイナーになったきっかけ


スズキ:
元々服が好きで、友人から展示会を一緒にやらないか、
という誘いを受け、僕は服を製作して、
友人は靴を製作するという展示会を行いました。

そこである適度の手応えを感じ、
その翌年、今度は絵描きの友人達と展示会を行いました。

そこにイラストレーターの宇野 亜喜良さんが来てくださり、
宇野さんが芸術監督をなさっているダンスカンパニーで、
衣装を作ってみないかというお誘いをいただいたのです。

そこでの展示会や衣装の製作が、大きく影響して、
その後の色々な人との出会いがありました。

編集の西谷 真理子さんが装苑に載せてくださったものを、
スタイリストの方が見て下さり、
アーティストのCDジャケットやミュージックビデオの衣装に
僕の服を使ってくださったりもしました。

徐々にですが、ファッションの場での表現が多くなり、
その後、僕とカメラマンの友人、スタイリストの友人と三人で
シェアオフィスをはじめました。

時には作品撮りなどもしていましたね。

それが約15年前ぐらいの話になります。

沢山の人との出会いが、
今のデザイナーとしての自分があると思っていて、
服を作り続け、気付いたらデザイナーという立場になっていました。

デザインをするときのこだわりは?


スズキ:

服は人が着るものなので、着用する人の力の流れや、
空気の流れを意識して作っています。

生地の分量、ドレープが作る美しい流れや、
着ていて心地の良いもの、美しいものを作ることにこだわっています。

自身のブランドで展開するレディースとメンズのデザインをする時の違い


スズキ:
基本的にはレディースもメンズも同じライン上にあると考えています。

具体的に言うと、メンズはリアリティから考えていて、
あまり格好つけすぎるのは格好良くないと思っています。

機能性や歴史の流れを踏まえていることが、
メンズの特徴だと考えていて、イメージ先行ではなく、
リアリティに重点を置き、デザインを詰めていくことが多いです。

逆にレディースに関しては、イメージから詰めていきます。

着る人が喜んでもらえるようなデザイン、着心地、
イメージを大切にして、美しいものをつくれるように意識しています。

それと、ちょっとした「隙」を作ることも意識していますね。

−ずばり、メンズとレディースではどちらが好きですか?

 
スズキ:
少し悩みますが、やっぱりレディースですかね。

美しいものがいいなと思っていて、
アート的なアプローチが強いかもしれません。

でも、もちろんメンズも好きですよ(笑)

st_fashion3アトリエはブランドをイメージさせるカラーリング

 
st_fashion5アトリエ内の一部、こだわりが随所に感じられます

2015年ジャカルタファッションウィークでのランウェイ

suzuki takayuki marriageの立ち上げのきっかけ


スズキ:
友人からのドレス製作依頼が多く続いたこともあり、
しっかりやらないといけないなとは思っていたのですが、
中々、お受けできないこともあり…

ウエディングが人生の中で占めるウェイトが非常に大きいので、
きちんと製作するにあたり、
そのフォーマットが出来ていないと安易には受けられないと
考えていました。

そんな中、アトリエスタッフたちの頑張りが、
立ち上げの大きなきっかけとなり、きちんとフォーマットをつくり、
生産のライン化をし、2013年秋に正式に立ち上げになりました。

製作は、全て対面でお客様とひとつひとつお話をして、
かたちにさせていただいています。

サイズなどの微調整がどうしても必要になってくるので、
メールなどではなく、きちんと向き合ってお話をしたいというのがあります。

なかなか沢山の方にはご案内は出来ませんが、
出会いの軌跡を大切にして。

ウエディングドレスをデザインする時のインスピレーションの源と
こだわりのポイント


スズキ:
一番大切なのは、当たり前ですがその人に似合うかどうか。

着用する本人が本当の意味で嬉しく思わないものは駄目ですね。

満足が笑顔につながり、その笑顔が更にまわりを笑顔にする、
と思っています。

インスピレーションは実際に着用するその人になります。

無条件で喜んでもらいたいから、
対面でコミュニケーションをとりながら、
どのように作っていけばいいかを考えています。

デザイナー、ウエディングドレス製作、舞台美術とものづくりへ関わる考え方


スズキ:
僕の作品やクリエイションを表現する場所が違うだけで、
特に変わったことをしていると思っていないんです。

不特定多数の方へ向けて表現をしているのがsuzuki takayuki。
個人の方へ向けてはsuzuki takayuki marriage。
舞台上では仕立て屋のサーカスといった感じで、
表現をする対象や、環境が違うということだけで、
考えることは一緒ですね。

それぞれの対象の方に喜んでもらえることが大事だと考えています。

仕立て屋のサーカスについての今後の活動


スズキ:
はじめは、僕とダンサーの方の二名で《 lunometers 》というチームで活動をしていました。

ちなみに《 lunometers 》というのは、僕が勝手につけたチーム名です。(笑)

それから、《 CINEMA dub MONKS 》 の曽我 大穂さんと公演をしたことがきっかけで、
徐々に仕立て屋のサーカスというかたちになっていきました。

今では、僕と音楽担当の曽我 大穂さん(マルチ奏者)、ガンジー西垣さん(コントラバス)、
照明の渡辺 敬之さん、企画/制作の大神 崇さんで公演をしています。

そもそも仕立て屋のサーカスというのは、
演劇、ダンス、サーカスの要素が混ざり合い、
それぞれの特徴を活かした、布や光、音楽などを即興で表現をする舞台です。

これからのお仕事の展望など


スズキ:
色々なものづくりをされている方々とコミュニケーションを取りながら、
コラボレーションをしたり、その土地にあったものを提案したいと考えています。

世界中の様々な地域の人たちに、ちょっとずつでいいので、
suzuki takayukiのファンがいてくれて、
洋服を着てくれたらいいなと思っています。

結婚にまつわるエピソード


スズキ:
妻との出会いは、僕の大阪でのイベントに人づてにお手伝いに来てくれたことでした。

suzuki takayukiを知らずにお手伝いに来てくれていたのですが、
その後も何度か出会いを重ねていき、
次第に魅かれるようになっていきました。

考え方が近いこともあってか、僕のやっていることを理解してくれて、
いつも応援してくれているのでとても心強いです。

結婚パーティーでのこだわりのポイント


スズキ:
式は、妻の実家の京都で行い、上賀茂神社というところで身内だけの10人ほどで行いました。

st_wedding2

あまりまわりには話していなかったのに、
サプライズで僕の友人4~5名が、
神社にお祝いをしに来てくれたのがとても嬉しかったです。

式から約1年後、すごく悩んだのですが、
なかなか会えない友人や知人たちのことを思い、
パーティーをすることに決めました。

パーティーは、場所、お花、ケータリングなど、
全てを近しい友人達の協力で行いました。

場所は、葉山にあるc:hord hayamaという友人が経営するアンティークショップ/スタジオを貸し切って、お昼頃から夜まで行いました。

自分たちの大好きな人たちに関わってもらって、
身内のノリで一緒に楽しく過ごせる時間を大切にしました。

パーティーには妻のご両親も参加してくれて、
はじめて会う、僕たちの友人たちとも違和感なく馴染んでいてくれたのが印象的でした。

st_party1

st_party2

ご自身と奥様が結婚式で着用した装いとそれを選んだ理由


スズキ:
妻のためにドレスを2着作りました。

1着は妻も知っていたのですが、
2着目はサプライズで渡そうと思ったのですが、
前日まで制作にかかってしまい、
冷や汗をかいたのを覚えています。

勿論、ちゃんと終わらせて、
きちんとサプライズとして渡せました。

僕は、自分のブランドのsuzuki takayukiのスーツを着用しました。

st_wedding3

結婚前と後での生活の変化


スズキ:
実は今単身赴任状態というか、
東京と地方を行ったり来たりしてます。

というのも、今妻は根室におりまして。

別居しているわけでは無くて、
拠点を東京だけにしたくないという思いがあり、
根室は二人とも好きな場所でして、
きちんと二人で住めるように話を進めています。

毎月、なんだかんだで結構会っているので
あまり離れているような感覚はないですね。

一緒にいなくても、連絡を取り合ったりと
二人でいるということを常に意識しています。

特に結婚前と後での変化というのは無いんですが…
ちゃんと家に帰る様になった、ということですかね。

結婚して良かったと感じたエピソード


スズキ:
良いこと…全てが良いんですが、
やっぱり共有できる人がいるという事ですかね。

仕事に関してもですが、
後押ししてくれたり、良いことも悪いことも全部含めて共有出来て、
一緒に居ることができるところだと思います。

自分を信じてくれて、応援してくれる人が最低でも必ず1人はいる。
一番支えになってくれるので本当にありがたいと思っています。

とても楽しそうに沢山のお話をしてくださったスズキさん。

本当にファッションが好きで、自分らしさを貫き、
こだわりを持って楽しんでらっしゃるのがお話の中からも伺えました。

そのこだわりが、洋服、ウエディングドレス、舞台で表現され、
それを見る人たちの心を動かしているんだと改めて思いました。

これからも沢山のフィールドでご活躍されるのが非常に楽しみです。

PROFILE
スズキタカユキ(デザイナー)

1975年愛知県生まれ。
東京造形大学在学中に友人と開いた展示会をきっかけに映画、ダンス、ミュージシャンなどの衣裳を手掛けるようになる。 2007年より東京コレクションに参加。 同年、オーガニックコットンに特化した「ikkuna/suzuki takayuki」を スタートさせる。 2009年には、Milano Unicaでのイベント「オン・ステージ」に世界の新鋭デザイナー10名の中の一人として選ばれ、合同ショーに参加。2012年には、インドにて開催された「Wills Lifestyle India Fashion Week」で合同ショーに参加している。衣装制作にも力を入れ、国内外の多数のアーティストとの共同制作を行っている。また、様々な企業とのコラボレーションや、アートユニット「TENKI」、パフォーマンスプロジェクトの「仕立て屋のサーカス」への参加も行い、最近では、ウェディングドレスの制作や舞台美術のデザインを手掛けるなど活動の場を広げている。

■suzuki takayuki
HP:http://suzukitakayuki.com/

women’s
女性が本質的に持つ美しさを引き出すため、
”時間と調和”をコンセプトに繊細で緊張感のある服を創りつづける。

men’s 
“時間と経過”をコンセプトとし、実験的なアプローチとリアリズムが同居する、上質なワークウエアを提案する。


■suzuki takayuki marriage

HP:http://suzukitakayuki-marriage.com/

suzuki takayuki marriage では、自分らしく自然体で考えるウェディングをお手伝い出来ますよう、ドレスとアクセサリーのオーダーを承っております。繊細さと透明感に加え、上品で贅沢、着用される方の美しさを最大限に引き立てるドレスをご提供させていただきます。上品で贅沢な美しさを追求するため、様々な地域で織り上げられた何種類もの上質なシルク素材と、繊細なコットン素材を使用いたしました。使用しておりますレースは、手作業によるぬくもりと繊細さを兼ね備えた、1860年代から1900年代頃につくられたアンティークレースを中心に選択しております。染色と加工により表現された、エレガントな風合いとやさしい色味が、肌の色を自然に美しく見せてくれます。女性の美しさをきわ立たせるため、ていねいな手作業による柔らかい仕上がりにこだわっております。人生の記念となる大切なお日にちと、それまでの思い出深いご準備のお時間を、少しでもお手伝い出来ますように。


■仕立て屋のサーカス(circo de sastre)

FB:https://www.facebook.com/circodesastre/

物語音楽家 × 裁縫師 × 照明作家 による音と布と光のサーカス。
二人の音楽家・曽我大穂(マルチ奏者)、ガンジー(コントラバス)とファッションデザイナー・スズキタカユキ、照明作家・渡辺敬之で構成される現代サーカスグループ。名前は「circo de sastre(シルコ・デ・サストレ)=スペイン語で “仕立て屋のサーカス”」。

東京公演情報
2016年最初の公演は、初の一週間公演です。
地方での公演を重ね、さらに進化した”仕立て屋のサーカス”、
まだまだ先に進んでいきます。
美味しい食事や出店なども用意してお待ちしております。
新しい何かが生まれる現場を一緒に体験しましょう。

日程|
2016.1.9(sat)-16(sat)
at VACANT (東京都渋谷区神宮前 3-20-13)

1.9 (sat) 17:00 open / 18:00 start
1.10 (sun) 16:00 open / 17:00 start
1.11 (mon/Hol) 休演日
1.12 (tue) 18:30 open / 19:30 start
1.13 (wed) 18:30 open / 19:30 start
1.14 (thu) 休演日
1.15 (fri) 18:30 open / 19:30 start
1.16 (sat) 17:00 open / 18:00 start

入場料|
一般 前売 \3,200 / 当日 \3,500 / 二日券 \5,800 / 三日通し券 \8,000
学生 前売 \2,500 / 当日 \2,800 / 二日券 \4,000 / 三日通し券 \6,000
*各日ドリンク代別。各回定員120名。
18歳以下無料(要予約)

出演|
曽我大穂(CINEMA dub MONKS)
ガンジー(CINEMA dub MONKS)
スズキタカユキ(suzuki takayuki)
渡辺敬之

Organized by HUTU

予約|
circo.sastre@gmail.com
※件名を「仕立て屋のサーカス」とし、希望公演日・お名前・人数・ご連絡先を明記したメールをお送りください。 学生・18歳以下の方は、予約の際に申しつけください。

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