記念すべき第一回目のインタビューは、
作曲家でありピアニストの中島ノブユキさんにお願い致しました。
映画音楽、JAZZ~POPS、広告音楽、クラシック等
様々なフィールドで活躍されている中島さんに【 結 婚 】をテーマに、
その音色や音作りについてお聞きしました。
都心の閑静な住宅街の門をくぐると、
パティオのある素敵なお住まいにお招きいただき、
柔らかい西日の中、仕事場を身近に感じながらのスタートでした。
自然体な雰囲気の中島さん、終始にこやかにお話をしていただき、
時間を忘れ中島ノブユキワールドにどんどん引き込まれ、
リラックスした中行ったインタビュー、どうぞ最後まで楽しんでください。
結婚式に流れる音や音楽への思い
-結婚式に流す曲といえば、誰しも2人の思い出の曲をかけたいと思いますよね。
また、ゆかりのある方の曲、式やパーティーに参列する方たちに聞いて欲しい曲など、
あげればキリが無いかと思います。
中島:
音楽が雰囲気を作り上げる要素はありますが、
あまり音楽で演出しすぎず、自分たちの好きな音楽に囲まれるというのが一番ではないでしょうか。
もちろん、自分たちのエゴを出してかけたい曲を選んでかけてもらってもいいと思いますが、
重要なのは来て下さるお客様にリラックスして、
そして楽しんで頂くことだと思うのです。
結婚生活を音や音楽に表現するとしたら
-結婚される前は自分の好きな時に好きなだけ、好きな音量で聴いていたいと思うものですが、
結婚を機に生活の中での変化はございましたか。
中島:
独身時代はそれこそ好きな時に音楽を聴いておりました。(笑)
毎朝音楽を流しますが、結婚をしてからは妻がおりますので、
無意識のうちに時間の流れを気にして、
相手のことも考えながらかけることが多くなりました。
更に普段聴く曲は、ピアノがメインではない曲が多いです。
ピアノが入った曲ですと、職業柄、どうしても気になってしまい、
サラッと聴くことが出来ないですからね。
たまに普段かけている曲とは違う雰囲気のものをいたずら心でかけて、
妻の反応を楽しむこともありますよ。
生まれてくる音作りについて
-楽曲はどの様な時に作り出されるのですか?
中島:
これから作ると構えるのではなく、ぼんやりしていると自然に、
自分の記憶だったり、訪れた場所の記憶だったり、
時には友人の話したエピソードの記憶だったりが音になっていきます。
作り始めはピアノに向かうと自然に指が動き、作られていきます。
仕上げの段階ではそれこそ絞り出すようにして苦労することもありますね。
映画のサントラの曲作り等は、台本が全て完成していなくても、
スタッフの方々や監督の熱が伝わり、
自然と音が作られていくこともあります。
2人の生活の中で、住まいに仕事場をおき、
生活の時間軸と創作の時間軸のバランスの中で
音を作っています。
ご自身の結婚生活や結婚パーティーでのエピソード
-中島氏の結婚式について当時を振り返ってもらいました。
照れくさそうにお話をする中島氏の姿を見ているととても微笑ましく思いました。
伺っていると風景や会場の雰囲気が伝わってきて、
とても素敵だったのだろうなと思っておりましたところ、
貴重なお写真もいくつかいただけました。
中島:
中島氏の地元、群馬県にある、とある古い教会で両家の親族と本当に数人の友人のみで挙式を行いました。
※ニュアンスのある素敵なショートドレスをお召しでした。
※礼拝で使われていた素朴なオルガン。
-大切な両家の親族で行われた挙式は、写真からも伝わってくるほど素敵だったと思います。
そして、日をおいてパーティーは場所を変えて浅草にて。
元々古い銀行だったビルを貸切って、2部制で行ったパーティーは、
中島さんと奥様のこだわりがつまったパーティーでした。
中島:
パーティーは浅草ライオンビルで行いました。
雰囲気がとても素敵で、どうしてもこの場所でやりたかったというのがひとつ、
2部制にしたのは呼びたい方々の都合を考え、
みなさんに楽しんでもらいたかったという思いがありました。
先程も申し上げた” 音楽が雰囲気を作り上げる ”というところでいえば、
当日かける音楽の音量や音質にはとてもこだわりました。
元々その場所に設えてあった音響システムは基本的には使用せず、
田口スピーカーの音響システムを入れて、
会話の邪魔をしない音量や音質で音楽をかけました。
何より大事なのは会話を楽しむと言うことですから。
パーティーで新しく出会う方々の為、
新しい関係を作るというのは会話から生まれるので、
その会話を邪魔したくなかったんです。
-こだわりのポイントはスピーカーだけではなく、ご自分で選曲をしないことがひとつのこだわり…
中島:
ビルは3Fまであり、3Fは控室で使用して、1F、2Fを会場にしました。
1Fにスピーカーを設置し、2Fには設置をしませんでした。
2Fには1Fからの音が漏れ聞こえる程度にして、
2Fではより、会話を楽しんでもらえるように。
会場の音楽は大切な友人達にDJ(=選曲)をお願いしました。
私たち二人が主張しすぎないように心掛け、
友人が選曲したものをこんな曲をかけてくれるんだな、と、
自分たちへのサプライズの意味も込めて完全にお任せしました。
※お任せしたご友人のDJは、アナログもデジタルも含めた選曲だったそうです。
※会場内の一コマ。
※お二人のイニシャルが飾られたケーキ。
中島:
なるべく演奏はしないというこだわりをもってパーティーを行いましたが、
ピアノを持ち込んでいた為、せっかく持ち込んだから…
というのを理由に最後に2曲演奏をさせてもらいました。
演奏曲
『忘れかけた面影 / 中島ノブユキ』
『雨は憶えているでしょう / 畠山美由紀』
実は、SadeのThe Sweetest Giftを結婚式に演奏したいと思っておりましたが、
うっかり忘れてしまいました。
※SadeのアルバムLovers rock
今後の活動について
中島:
世の中にどのように音楽で貢献出来るかを考えるのが楽しみ。
それが映画、広告などは関係無く、何であっても音楽で貢献出来れば楽しいと思っています。
長時間のインタビューにも笑顔でお答えいただき、
常にニュートラルな優しい雰囲気でお作りになられる音は、
いつも映像が自然と頭の中に浮かんでくるような音色です。
中島ノブユキさんの益々のご活躍を楽しみにしております。
PROFILE
中島ノブユキ(作曲家/ピアニスト)
Nobuyuki NAKAJIMA ( comporser / pianist )
東京とパリで作曲を学ぶ。
ソロアルバムとして『エテパルマ』『メランコリア』『カンチェラーレ』『クレール・オブスキュア』等を発表。2011年~2013年 ジェーン・バーキン ワールドツアー「Jane Birkin sings Serge Gainsbourg via Japan」に音楽監督/ピアニストとして参加(27ヶ国 約80公演)。2010年公開の映画「人間失格」(荒戸源次郎 監督作品)、アニメーション「たまゆら」(佐藤順一 監督作品)の音楽を担当。また「旅のチカラ」(NHK-BSプレミアム)のテーマ音楽「その一歩を踏み出す」を作曲する。2013年には NHK大河ドラマ「八重の桜」の音楽を担当。また音楽を担当した映画「悼む人」(監督:堤幸彦、原作:天童荒太)が2015年2月公開。ジェーン・バーキンがテキストを書いたコンピュータと楽器アンサンブルによる作品「une petite fille (theater ver.)」を2015年2月アーツ前橋にて初演。ピアノ、バンドネオン、ギター、オーボエ、弦楽三重奏、コントラバスによるアンサンブル作品、最新作『散りゆく花』2015年6月リリース。
6月にリリースした中島ノブユキ最新アルバム『散りゆく花』。
アルバム参加ミュージシャンと共に、日本各地を巡るコンサートツアー “blossoms” を開催中。
10月18日にはレコーディングメンバーが一堂に会する東京公演(求道会館)も予定しています。
ツアー“blossoms” 公演情報
■10/18 (sun) 東京公演
日時: 10月18日(日)
会場: 求道会館 [ 東京都文京区本郷6丁目20-5 ]
■10/27 (tue) 岡山公演
日時: 10月27日(火)
会場: 岡山県立美術館 [ 岡山県岡山市北区天神町8-48 ]
※各公演の詳細・ご予約はこちら
http://www.sotto.maison/#!blossoms-tour/c2307