第六回目となる今回は、人と花を結ぶアーティスト、花結い師TAKAYAさん。
国内外で精力的に活動をされ、印象的な個展も行い、
アーティストとして常に進化をされています。
そんなTAKAYAさんに【 花 結 い 師 】をテーマにお話を伺いました。
どうぞ最後まで楽しんでください。
花結い師になったきっかけ
TAKAYA:
元々イタリアンカフェを運営していて、
それが24歳の時でした。
夢がコックさんになることだったので、その夢が叶い、
男性は、30歳で成人、40歳で成功と人生設計をたてておりまして、
30歳で次は何に出会うのかと思い、29歳の時、「神のお告げ」といいましょうか(笑)、
女性の頭にお花が咲き誇るイメージが急に浮かび、
花結い師としての活動がはじまりました。
はじめのころは、花結い師という言葉を知っていただくために
ライブパフォーマンスを行ったりしていました。
パフォーマンスをする場所にはこだわっていて、
お寺を使わせてもらったりしていました。
僕としては個展をやっている感覚ですかね。
その甲斐あって、徐々に花結い師を知ってくださるようになりました。
花結い師とはどのようなお仕事でしょうか?
TAKAYA:
簡単に言うと、髪にお花を結うことです。
よく言われることなのですが、ブライダルよりのイメージが強いんですけど、
私自身はアーティストとしての活動がメインです。
作品の発表の場として、個展を開催しています。
最近ですと、遺影展を行いました。
初心に戻る気持ちで行ったのですが、
遺影を通じて生を見直すきっかけがつくれたらいいなと思いました。
20代から60代後半まで、50名の方で撮影を行いました。
他には、みなさまからブライダルでも花結いをやって欲しいというお声をいただくようになり、
アーティスト活動が優先になるのですが、ブライダルもやらせていただいております。
1つの作品をつくるのにどのくらいの時間がかかりますか?
TAKAYA:
アーティスト活動での作品ですと約30分くらいで、
ブライダルの場合ですと約5分から10分ぐらいです。
インスピレーションで花結いを行うので、
決まったフォーマットはなく、
その場で感じ、花結いとして表現します。
ブライダルの場合は、事前のお打合せをさせていただき、
お客様のご要望をお聞きし、制作させていただいております。
お花を選ぶ際のポイントはありますか?
TAKAYA:
基本的なことですが、元気なお花を選んでいます。
お花は環境の変化にとても弱いので、
気を使うポイントですね。
花結いをするときに気を付けているところ、こだわりのポイントは何ですか?
TAKAYA:
一番気にしているところはバランスです。
今まで花結いをしてきて、迷ったことがなく、
制作をはじめたらどんどん手が動いていくイメージですね。
手から湧き出る感覚に近いです。
作品の撮影は、モデルさんと花があることで成り立つので、
モデルさんの個性と花結いが融合し、ひとつの作品になるよう、
モデルさんから花が生えているようなイメージになるように制作しています。
花結いをする際のアイデアなどはどのようにして生まれますか?
TAKAYA:
花結いのアイデアを求めて何かをすることはありませんが
パフォーマンスのイベントの照明であったり、
演出の勉強としてよくライブやお芝居を観に行っています。
出演されている方々の衣装や、舞台のライティング、
細かなところが気になります。
例えば、美術館に行く時は、美術館に自分を置いてみて、
何を感じるかが一番重要で、この絵の赤の色が綺麗だったなとか、
感性に響くことを大事にしています。
絵をみていても、その絵の額縁が気になってしまったり。
額がとても気になったりします。
海外も面白いところがあって、
フランスにある民族の仮面ばかり集めた美術館があるのですが、
そこは好きな美術館の一つですね。
今までどのくらいの花結いをされてきましたか?
また、好きな作品はありますか?
TAKAYA:
今まで1000体以上ですね。
好きな作品は特にないのですが、
常に新しい作品を作っていきたいと思っています。
ブライダルシーンでのエピソードを教えてください
TAKAYA:
何かのかたちで僕を知っていただき、いつかご自分の挙式では、
花結いを、と夢見ていただいていたお客様が、実際に結婚式で花結いのご依頼をしていただき、
「夢が叶いました。」
と言っていただいたときは感動しました。
自分自身、夢を追いかけているのに人の夢を叶える。
” 夢を追いかけて、夢が叶う “
とても素敵なことだと思いました。
ブライダルシーンで提案したいことは何でしょうか?
TAKAYA:
演出が好きなので、会場内のお花をはじめ、すべてのコーディネートをしてみたいです。
パフォーマンスをすることはもちろんですが、
音楽、ライティング、細かなところまで演出をしてみたいと思います。
今後の花結い師としての展望は何でしょうか?
TAKAYA:
海外にどんどん挑戦をして行きたいです。
漠然としたイメージですが、ニューヨーク、イギリス、パリで発表をしたいです。
常に進化をしてきたいですし、人に響くもの、感性を動かせる作品をつくり続けたいです。
まだまだやりたいことが沢山あって、
アートな活動を積極的にやりたいですね。
いつかは、誰かと組んで、今までやったことのない、
新しい何かをしたいですね。
もちろん東京でも何か出来たらと思っております。
帽子にも興味があるので、花から布へ(笑)
帽子を制作しているかもしれませんね。
常に新しいものを求め、進化をしてきたいと考えているTAKAYA氏。
次はどんなことで私たちを楽しませてくれるのか、今後の活躍に目が離せませんね。
PROFILE
花結師TAKAYA(花結師)
1975 年生まれ。
2004 年より京都を拠点に、人と花を結ぶ「花結い師」としての活動を開始。
生花で独創的なヘッドドレスを制作し話題を呼ぶ。
人に花と衣をまとい華に開花するパフォーマンス 「花衣華 ( かいか )」を
国内外で開催し、活動の場を広げる。
2009 年、桂由美ドレスショーにて 花結いを行い、以降もコレクションを担当。
イギリス最大手新聞であるデイリー・テレグラフ紙をはじめ、
オランダの有名雑誌や新聞など、海外メディアからも注目を集めている。
最近では堂本剛アルバム「Shamanippon-ロイノチノイ」で花結いを担当している。
企業やブランドとのコラボレーションによる作品制作の一方で、
自ら制作する作品においては、 人と花から受けるインスピレーションの表現や、
即興による花結いを行い、 見る人の感性を動かす「美」を追求している。
FB:https://www.facebook.com/Hanayuishi-Takaya-288017611254155/
HP : http://takaya-hanayuishi.jp
「 花衣華 」
2015年12月 重要文化財 京都府庁旧本館にて
花と衣を纏い華に花衣華(かいか)する 「花衣華」を開催。
「和婚のヘッドドレス 生花でつくる花嫁の髪飾り」
誠文堂新光社より発売中。